移転

唐突ですがこのブログを移転します。

kuramaguchi.blogspot.com

今後は上のリンク先で更新したいと思います。

というのも、このブログ、URLに思いっきり実名を出していますが、よく考えるととくにその必要もなく、また実名を出しているがゆえにちょっと書きぶりが縮こまってしまうような感覚を抱いていました。はてなブログの仕様上、URLの変更ができないのでこのままで通していましたが、いよいよはてブロから去ることにしました。

それから、はてブロは広告がうるさいとか、一度公開した記事を下書きに戻すのがめんどうとか、そういった細々とした理由もあります。

お付き合いいただきありがとうございました。よろしければ上のブログも見てください。

トリプルファイヤー鳥居氏のブログが面白い

トリプルファイヤーというバンドが日本にある。インディーズだがまあまあ有名だと思う。

このバンドのすごいのはリズムがかなり複雑な点である。素人なので詳しいことはよくわからないが、アフロビートの影響とかを感じる。というか、この間フェラ・クティを聴いたら「トリプルファイヤーじゃん」と思ってしまった。ともかく日本のバンドとは思えない。

作曲者としてそのリズムの構築をしているのが鳥居真道氏である。

私はローリングストーン誌での連載などを読んで、この人は相当な学究肌だなと思っていた。

この2年くらいトリプルファイヤーはぜんぜん聴いていなかったのだが、最近また聴きたくなった。

私見では、トリプルファイヤーは真夏にエアコンの効いた部屋で「ああだるいなあ」などと言いながらダラダラと作業するときに流すのが最適である。


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まあそんなわけで、鳥居氏のことも再び思い出した。調べてみると、noteに結構な頻度で日記を連載している。

note.com

これがめちゃくちゃ面白い。

まず鳥居氏は、相当本を読んでいる。実際に本を読んだ感想もよく書いているし、なにより文体に本をちゃんと読んでいることがにじみ出ている。本を読む人の文体なのである。これだけ言えば、文章が非常に読みやすくて、充実していることは察せられるだろう。

ラインナップもグレーバーの『負債論』とか左派の反緊縮本とか、いわゆるところのインテリ、あるいは市民社会の構成員としての「市民」に求められる教養、みたいなところをひとわたりカバーしている感じで、こんな人がまだ日本にいたのかと感動してしまった。

私は課金して全記事読もうとしている最中である。

最後に最近のライブ映像を貼る。一度くらいはライブを体感したい。鳥居氏はギターの人。


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プログレ熱

最近、かなり真剣に音楽を聴いている。音楽を聴くことが余暇の第一優先順位に来るのは中学生ぶりくらいかもしれない。

きっかけはかなり現代風なのだが、このYouTuberの人の動画にハマったことである。

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ロックを中心とした20世紀音楽の歴史を語るという趣旨のYouTuberらしい。

内容は正直、そこまで詳しくはないが、話し方が妙に面白く引き込まれる感覚がある。

驚いたのは邦楽も結構カバーしていること。「はっぴいえんど中心史観に挑む」というタイトルの動画まで撮っているくらいで、これは仰天した。はっぴいえんど中心史観が人気YouTuberに語られる時代になったのだ…。


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とくに面白かったのがこの動画で、これを見てからキング・クリムゾンピンク・フロイドを聴くようになった。


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クリムゾンは、中学生の時に宮殿だけ聴いてよくわからないまま放置していたが、いまRedを聴いてみたらテンションブチ上がった。

そしてピンク・フロイドには、端的にいってハマった。なぜいままでハマっていなかったのかわからないくらい刺さる。

今では日がな一日Echoesをリピートしている始末である。デイヴ・ギルモアのクサいギターがいい。


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ともかく音楽に対する情熱が過去10年くらいで一番噴き上がっているかもしれない。作曲の方法も少しはちゃんと勉強してみたくなってきたほどだ。

まあ修論があるのだが…。

それから&門

www.aozora.gr.jp

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最近どうも小説ばかり読んでいる。なんやかんや通読したことはなかった『それから』『門』を続けて読んだ。完全にネタバレなので御注意。

『それから』

いやはや。刺さりすぎますって。

主人公代助の変化を過剰に恐れてる感じとか、普段は難しいことを考えているくせに理屈にならない行動に出ていろいろなものを台無しにしてしまうところとか、分かりすぎてまあもう胸が痛くなりますわな。

最後、職探しをしにいったのはよかったと思う。そのあとのシーンは発狂したとみる向きもあるようだけど、僕はそうは思わないな。一段落したら、たぶん別人として生まれ変われると思う。まさに『門』の宗助のように。

『門』

『門』は『それから』に比べるとより救いがない。不倫愛の後ろめたさを糊塗しながら生きる夫婦の話である。ただただ疲弊した感じが行間から漂ってくる。

もっとも、互いへの愛情が確かなことは救いだとは思うのだが、どちらか片方が亡くなったらどうなってしまうんだろうか。

ちなみに京都、特に京大周辺の情景描写も出てくるのだが、漱石は結構京都に対して辛辣で、つい笑ってしまう。

また「崖下の家」でイメージしたのは白山あたりだけど、漱石はどのへんを想定したんでしょうね。

アンナ・カレーニナ

アンナ・カレーニナ』を光文社古典新訳文庫版で全4巻通読した。

www.kotensinyaku.jp

読んだ人は知っているだろうが、アンナ・カレーニナといっておきながら、アンナのほかにリョーヴィンという地主貴族も出てきて、この人も主役級の扱いをされているのである。

とはいえ、やはり(汽車から始まり貨物列車に終わる)アンナのヴロンスキーへの気持ちの移り変わりが最大の見所ではあると思う。ただ、リョーヴィンのほうのパートで展開される田舎の領地の情景描写も実に鮮やかで、人間心理と風物をともに丁寧に描くトルストイの筆力半端ねえ。

これに加えて社会変動期のロシアの政治の話も絡んでくるので、実に多面的な、さまざまな読み方ができる物語なのである。これだけの要素を盛り込みながら筋には破綻をきたしておらず、普通にめちゃくちゃ面白いので時間があればぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

まあ、アンナの心理描写、特に最後のほうは読んでてかなりつらいけど…。

ゾウかわゆす

きょう、京都市動物園に行った。動物園に行くのはおそらく13年か14年ぶりくらいである。

私は動物園にいる動物のなかではゾウがいちばん好きだった。どこの動物園にいつ行っても、かならずゾウの前で釘付けになっていた。

果たして、今回もゾウを前にしたときの感動は他を圧倒するものがあった。

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他者への傾聴の姿勢を表すかのように大きく発達した耳、それでいていかにも敏感そうで、内面がそのまま露出しているかのような鼻先、観る者の魂を包み込むかのように優しく潤んだ瞳、そのすべてが愛おしい。

これらは一般にゾウの特徴とされがちな部位だが、私がゾウの身体でいちばん好きなのは実はおでこである。

ゾウのおでこは、こぶのように盛り上がっていて、人間のおでことはかなりかたちが異なっている。ここから私には、ゾウのおでこは人間が獲得するに至ったのとは別種の智慧や叡智を象徴しているようにみえるのである。

ゾウ可愛からずや。

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Lupin

NetflixLupinを観た。以下、短文だがネタバレを含むので観たい人は読まないのが吉。

Lupin | Netflix Official Site

ドラマとして出色の出来。

悪役として出てくる大富豪が死ぬほど最悪な奴で、こいつが最後罰せられるときの溜飲の下がり方が尋常ではない。まあ、ドラマで溜飲を下げるばかりではなく、実際に富裕層の富裕化に歯止めをかける方法を考えるのが重要ではありますが…。

あとパリのいろいろな区域でロケされていて、パリに行きたくなった。はたしていつ行けるんかいな。

香港デモ映画と『ミナリ』@出町座

香港デモの映画

出町座で「香港インディペンデント映画祭」という企画をやっており、2019年夏の民主化デモのドキュメンタリー映画を複数まとめて上映していたので、観に行った。

実はデモの始まる直前、2019年5月初頭に(トランジットで数時間だけではあるが)香港をぶらついたことがあり、そのときの記憶が多少あったので、「ああ、あそこで催涙弾が投げられたのか」みたいに興味深く見ることができた。外面はともかく、社会的にはもはや別世界といってもいいだろうが。

背格好も年齢もほとんど同じ人たちが運動しているのは尊敬するしかっこいい。まあもちろん、運動に至るまでにはその前提に苦難の歴史があるわけだが。。。

我が身を省みるとはずかしい。韓国とか台湾でもがっつり運動している学生を知っているが、みないい顔をしている。これが青春というやつか。

香港はどこへ行くのでしょうね。。。

ミナリ

つづいて話題作『ミナリ』もついに鑑賞。

いやーよくできた映画だわ。ドキュメンタリー映画のあとに観ると、商業映画の観やすさにおどろいてしまう。本当は熟考して感想を書きたいのだが、時間がないので箇条書きでメモ。

  • 場面が替わるところで「水」にまつわるエピソードが出てくる。そして最後に「水」の対極ともいえる「火」が登場するわけですが。。。
  • 移民の適応過程における拡大家族(この作品ではおばあさん)の役割について考えさせられる。おばあさんが核家族に将来の展開を(意図せざる形も含めて)もたらしている。
  • 主人公一家の息子がおばあさんに抱きしめられて寝るシーンから、主人公一家の状況がなんとなく変わっていく。そういう意味でこのシーンが映画上ではいちばん重要だと思った。そしてこのシーンでおばあさんが聴かせる子守唄こそが「ミナリ」の子守唄。
  • 主人公一家はこれからどうなるのか。

慶賀すべき日

今日はいろいろと慶賀すべきことがあった。

  1. エアコンがついた
    わけあって私の部屋にはエアコンがなかった。ちょっと私の一存では取り付けられない状況にあったのだが、紆余曲折を経て、ついにきょう取り付けられた。といってもウィンドエアコンなのだが、それでもたいへん涼しい。これで修論もバリバリ書ける(かもしれない)。

  2. 橋の工事が終わった
    叡電出町柳駅の西側、高野川にかかる河合橋で道幅の拡張工事を延々とやっていたのがきょう完成したらしく、通れるようになっていた。道幅が広くなって便利だ。嬉しい。そういえばこの間は賀茂大橋の方も新しくなっていた。
    自転車移動が重要な街なので、道幅拡張工事はどんどんやっていただきたい。歩道拡張とアスファルト再舗装をアジェンダに掲げる市議や府議がいたらまちがいなく投票してしまうと思う。

サニーデイ賛江

サニーデイ・サービスのDance to You(2016)、これは名盤だ。

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サニーデイというか、曽我部恵一のつくる音楽はとりたててグラウンドブレイキングというわけではないと思うけれど、なんかこう、好感がもてるものが多い。

今年はもはや枯れかけではあるが、あじさいの季節にぴったりの名曲もある。

Dance to Youが後期サニーデイの最高傑作とすれば、前期サニーデイの最高傑作はこの曲が入っている東京(1996)であろう。

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では、西陣某所で雨に濡れるあじさいの写真でお別れしよう。

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