文献管理なんてものは

世の中は文献管理ソフトで溢れている。私も昨年は文献管理に血道を上げていた。しかし文献管理は研究プロセスにおいてはあくまでサブの仕事であり、文献管理に頭を悩ませている時間があれば一つでも多くの論文に目を通して、執筆に充てるのが本筋であるという、ごくまっとうな考えを抱くようになった。

そこで現在はだいぶ簡素化した方法をとっている。その方法について一応書いておく。

まず、今まで読んだ論文を一箇所に集めるだけならGoogle Scholarのお気に入り機能で十分である。むしろ検索やラベリング(私はこれすらほとんどしていないが)が直観的にしやすいなどの利点は他に代えがたい。

最近の論文はほとんどブラウザからHTMLで直で(最悪PDFのリンクはある)読めるので、PDFをローカルに落とすことすら基本的にしていない。人によっては論文のPDFにメモを入れたいだろうが、私は昔からメモは別のテキストファイルに付ける習慣なので、このようなやり方が楽なのである。もう一度読みたくなったら、Scholarのリンクからアクセスすればよい。

外出先などネット環境のないところでもどうしても読みたいという論文に限って、PDFで落としたらよい。PDFファイル形式の論文は目の疲れを抑えるため、Kindleで読むことにしている。

Scholarでは文献を選んでbibファイルを吐き出せるので、文献リストをつくるときもけっこう楽である(ただフィールドが全部埋まっていない場合は手動で追記する必要があるが)。LaTeXを使う場合はbibファイルをそのまま使える。

Wordで書いているときは、いったん吐き出したbibファイルを文献管理ソフト(私はZoteroの多言語文献対応版のJuris-Mを使っている)に読み込ませて、所定の形式でアウトプットし、コピペする。このように私の場合、文献管理ソフトはフォーマット変換ツールとしてしか使っていない。